2020年4月3日、米国疾病予防センター(CDC)がマスク着用のガイドラインをアップデートしました。その要点をはあとのWA!代表でナースプラクティショナーの本田まなみがまとめましたのでご一読ください。
ガイドラインの内容
買い物などの必須の用事でバスを利用したり、公共の場に出たりする場合は、布製のマスクなどを使って顔(特に鼻と口)を覆うようにしましょう。
※ただし、2歳未満の子供や、呼吸に問題を抱える人、自力でマスクを外すことができない人は着用しないでください。
新しいガイドラインが生まれた背景
今回のコロナウィルスの感染例の中には、症状が出ない感染者や、症状が出る前の段階の感染者からの感染が非常に多いことが、最近の研究で判明しました。無症状の感染者は、自分も周囲の人も感染していることに気付かない場合がほとんどです。そのような人であっても、会話や咳、くしゃみなどで感染を引き起こす可能性が高いため、公共の場では口をふさいで飛沫感染を防ぐことが推奨されるようになりました。
ガイドラインのポイント
- マスクの使用は、今までの予防方法[濃厚接触を避ける、不必要な外出を避ける、手洗いを頻繁にする]の代わりではありません。引き続き、外出や他人との接触は控えてください。
- マスクの使用は、感染から自分の身を守るよりも、他の人への感染を防ぐのが主な目的です。
- 布製のマスクの他に、ハンカチやタオルなどでも代用可能です。
- 医療に使われる手術用マスク(surgical mask, prodecure masks)やN95マスクを一般の人が使うことは推奨されていません。これらは、品薄であり医療従事者が必要としています。(写真参照)
布製マスクについて
CDCは、どの素材が効果的か、または、布製マスクが予防にどれだけ効果的かは言及していません。色々なサイトを検索したところ、二重の木綿生地(cotton)を使っている人が多いようです。CDCやKaiser Permanente でも、ハンドメイドのマスクの作り方を紹介しています。
リンク:
CDC “How to Make Your own Face Covering”
https://youtu.be/tPx1yqvJgf4
Kaiser Permanente “Fabric Face Mask Instructions”
https://about.kaiserpermanente.org/content/dam/internet/kp/comms/import/uploads/2020/03/02_COVID_Mask-Instructions_v9.pdf)
SNSやYouTubeでも、多くの人が手作りマスクの作り方を紹介しています。ぜひチェックをしてみてください。
医療従事者からのお願い
繰り返しになりますが、公共の場でのマスクの着用は、人からのコロナウィルス感染を予防するためではなく、無症状の人が他の人に感染するのを防ぐことが目的です。マスクをしているからと言って、不必要な外出や濃厚接触をするのは避けましょう。また、その観点から、医療用のマスクの使用は勧められていません。医療現場では、必要なマスクや手袋、ガウンなどが不足しており、入手も困難になっています。もしお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非とも病院やローカルの医療施設に寄付していただければ幸いです。
実際私の働く現場(リハビリ用特別養護老人ホームや訪問医療)でも、コロナだけでなくインフルエンザや他の感染症の対策としてマスクが必要なのですが、数が足りておらず、仕方なく布製のマスクを使わなければならない状況になっています。COVID-19やインフルエンザの患者さんのケアをする医療従事者を布製マスクでは感染から守ることが出来ません。感染の恐れや不安を抱えながら、今ある限られたリソースの中で出来る最高のケアを行っているのが現状です。
もしマスク(日本で花粉症対策などで売られているものでも可)などを寄付していただける方がいましたら、是非 JIA Foundation にご連絡ください。また、他の団体でも寄付をお願いしていますので、以下までご連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
Get up PPE: https://getusppe.org/portfolio/washington/
UW Medicine: https://www.acceleratemed.org/supporting-our-covid-19-response-through-in-kind-giving/
City of Seattle: https://www.surveymonkey.com/r/2MLD3L7