背後関係に眠るDVの有無
- では例として、「恋人の車の鍵を隠した」という行動を見てみましょう。
- 例1:自分の恋人が会社の同僚と仲良くなるのが許せず、また経済的に独立していくのが嫌だったので、鍵を隠して出社できないようにした。
- 例2:自分の恋人がお酒を飲んで酔っ払っていても、運転すると言って聞かない。過去に飲酒運転で事故も起こしている。頼んでも話が通じないので、鍵を隠した。
- 例1では、動機は恋人への嫉妬と、自分に経済的に依存しなくなる=束縛する事が難しくなる、ということが挙げられるでしょう。この行動の結果として被害者は仕事(経済力)や友人を失うことになるでしょう。このように社会から孤立させることはDVの悪化につながる大きな要因です。
- 例2では、動機は恋人の身の安全を案じてという事でしょう。そして過去にも同じような事があり、恋人が法のトラブルに巻き込まれたという事実もあります。そういった事実をふまえると、恋人の許可無しにでもその場で判断を下すことが必要になって来るでしょう。鍵を隠すことによって一時は不便になるでしょうが、DVのような長期に及ぶ影響はないでしょう。
- このように、背後関係を知ることによってDVかどうかの判断がしやすくなります。
- またDVの特徴とは
- 加害者はDV行為・行動を、子供時代の経験や社会からのメッセージなどから学ぶ
- パターンは繰り返し、程度が悪化する強制的で、特定の人に的をしぼっている
- 同性愛、異性愛(*)を問わず、どのような人種、文化、階級、職種、宗教、年齢、学歴の人でも、被害者、加害者になる可能性がある(*ただ異性愛関係にあっては女性が被害者になる確率のほうが高い)。