第13回 がんナビゲーション① of はあとのWA

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この記事は、北米報知新聞に掲載されました。

第13回 がんナビゲーション ― ①がんだと診断されたら? 

あなたのお友達、家族、同僚、またはあなた自身ががんの疑いがある、またはがんだと診断されたらどうしたらいいのでしょう?家族の闘病経験、がんセンターでの様々な職種の職員や関係者と関わり、医療業界の情報に接するなかで、なるほどと思ったことをシェアしたいと思います。

どうやって医師・治療施設を選んだらいいでしょうか?

がんの種類によって、診断、治療に必要なテスト、治療方針、治療を行う医師の種類(専門)も異なります。同じがんの種類でも、進行、広がり方、がんの悪性度、ときには遺伝子の情報によって、適する治療、治療への反応も個人により違うでしょう。がんだけではなく、既に他の病気を持っている患者さんもいらっしゃるように、患者さん一人一人の体の状態、精神状態も、考慮されます(持病がある、手術に耐えられる体力がある、など)。患者さんの価値観、コミュニケーションのとり方に関する好み、欲しいと思う情報の量や深さ、家庭の状況、患者さんを取り巻くサポート、財政状況も個人によって異なります。同じ情報を受け取っても情報や状況を受け止めて消化する仕方やスピードも個人によって異なります。また、その時々のライフステージによって、患者さんにとって重要なものも変化するでしょう。

医師にも、腕がいい、治療件数が多い、患者さん・他の医師から高い評価を受けている、研究に力を入れている、コミュニケーションに長けている、熱意がある、人間味がある、患者さんの価値観を理解して病気だけでははなく体も心もケアする、診療年数が長い、などそれぞれ得意な分野があります。また、医師も人間ですので、患者さんとの相性もあります。したがって、医師・治療施設の選び方は、自分にとって何が大事な要素なのか、安心できるのか、というのを考えることになるのではないでしょうか。

今回は、認定や専門といった第三者や病院自身が提供する評価結果を利用した病院の選び方について、次号では、医師からの紹介、病院を実際に体験した患者さんや家族などの経験を元にした評価を利用した病院の選び方について紹介します。

がんの治療を行う主な専門医の種類 (Oncologist)

大きくわけて、がん治療を行う医師には、手術 (Surgeon)、放射線腫瘍医(Radiation Oncologist)、腫瘍内科医(Medical Oncologist ― chemotherapy, biological therapy, hormone therapy, stem cell transplantなどを施す)などがあります。さらに、診断を行う医師、がんに精通したリハビリテーションの医師、精神科医など、他のスペシャリストも治療チームに加わることがあります。

  • がん医療チーム 
  • Website: Cancer Net
  • Phone: 571-483-1780 or 888-651-3038

がん専門医を探す

oアメリカでは,専門医制度は「Board」と統一されていて、各Board(各専門医)の認定は,American Board of Medical Specialties (ABMS)に加盟する団体が認定試験を行い、専門医となるには、トレーニング、専門性、経験、質を求められるようです。Oncologistが属する団体、施設のウェブサイトに専門医かどうかを記していることもありますし、下記のABMSのサイトに、Boardについて、種類、重要性についてなど詳しい情報が記載されています。

多くのOncologistは米国臨床腫瘍学会 (The American Society of Clinical Oncology)の会員で、その会員となっている医師を地域、専門、認定の有無によって検索することができます。

保険会社が提供するリスト

  • 加入する保険の種類によっては、医師や病院が保険会社の支払いの対象とならない場合があります。自費で支払うのでなければ、保険会社からリストを得る、または医師・病院が保険会社の支払い対象になっているどうかを問い合わせすることもできます。

がん治療施設 (病院、センターなど)を探す

アメリカでは、専門医団体、学会、もしくは独立した認定団体による、認定制度があります。米国外科学会(American College of Surgeons)のがん委員会(Commission on Cancer)もがんの治療プログラム・病院認定を行っています。最新の治療、適切なフォローアップを提供すること、がん委員会を設けて医療の質を向上する活動をモニターして向上すること、がん登録情報(患者さんがその施設で最初の治療を受けた場合、生涯患者さんの状況をモニターします)を収集することなどが認定条件となっているようです。

次回は、医師からの紹介、病院を実際に体験した患者さんや家族などの経験を元にした評価を利用した病院の選び方について紹介します。

プロフィール記事

安達 万里子 Mariko Adachi

家族のがん闘病を通じ、がん診断から治療、リハビリ、終末期まで全ての局面において、患者と家族が医療チームの中心になるべきだと痛感。日本でIT/医療コンサルティングに従事し、NYの大学院にて医療経営を学ぶ。現在シアトルのがんセンターに勤務。

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